2−(1) ローソク足の基本形

基礎知識編ではローソク足の作成方法について触れましたが、ここでもう少し詳しくローソク足の見方について見てみましょう。海外ではバーチャートと呼ばれるチャートが一般的ですが、それは一日のレンジ(高値と安値の差)を一本の縦線(バー)で表し、そのバー上に終値だけを横線で記したシンプルなものです。それに比べてローソク足は数値としては単に始値が加わるだけですが、そこから得られる情報量は格段に増します。また陰陽の別や、始値と終値の差(実体の長さ)やヒゲとの位置関係などにより、相場の解釈上、様々な意味を持ちます。

下の図はローソク足の中でも特に特徴的な形の例と、それぞれが持つ一般的な意味を記したものです。但し、特に為替相場の場合には、この単体での意味や後に紹介する複数のローソク足の組み合わせによる意味を売買サインとして妄信すべきではありません。あくまでもその意味するところから、いま相場がどのような動き方をしているのかの理解に役立てる、つまり相場をよく見るためのツールとして利用するならば非常に有用であると考えます。

大陽線(陽の丸坊主) 先高見込み。ヒゲがなく、安値で寄付き、高値で引けている。下位に現れると相場反転の暗示と言われる。
大陽線(陽の大引坊主) 先高見込み。騰勢強く、高値引けで上ヒゲがないので大引坊主。
大陽線(陽の寄付坊主) 安値で寄付き、陽線となったがやや上ヒゲあり。先高見込みだがやや慎重。
下影陽線
(たぐり線、首つり線)
先高見込み。長い下ヒゲ、寄付き後のザラ場で下を試している。下位で現れた場合に上昇転換暗示。
小陽線(コマ) 気迷い
大陰線(陰の丸坊主) 先安見込み。上位で現れると転換の暗示。
大陰線(陰の大引坊主) 先安見込み。落勢強い。
大陰線(陰の寄付坊主) やや下ヒゲあり。先安見込みだがやや慎重。
上影陰線 先安見込み。長い上ヒゲ、寄付き後のザラ場で上を試している。上位で現れた場合に下降転換暗示。
小陰線(コマ) 気迷い
四値同事 上下のレンジがなく、薄商いの状態。
十字線 気迷い
足長同事 売り買いが拮抗した状態。次の足の寄付きを見て判断。
トンボ、トウバ 上位か下位に出ると転換の暗示
これらの単体のローソク足の形から一般的に言えることは、
a. 長い実体は相場に勢いがある。
b. 逆に短い実体(但しヒゲは上下に長い)は売り買いが拮抗している。
c. 実体が短く上ヒゲが長い場合は、一度上を攻めて失敗している。
d. 実体が短く下ヒゲが長い場合は、一度下を攻めて失敗している。
e. 実体もヒゲも短い場合は、迷い、材料待ちで動意がない。又は商いがない。
また、為替相場におけるローソク足は株式相場のそれとは異なる特徴があるという点もよく認識しておく必要があります。(株式相場を前提としたローソク足の読み方が当てはまりにくくなります。)以下はその幾つかのポイントです。
a. 為替相場は24時間取引で1日の切れ目が殆どないため(切れ目はイージーFXの場合で日本時間の午前6:00からの30分間のみ:夏時間の場合)、当日の終値と翌日の始値がほぼ同じになります。(下図参照)
b. 同じ理由から週末以外では「空(くう)または窓(まど)」と言われるローソク足どうしでレンジの重ならない部分が出来ることは殆どありません。但し、週末は土日を挟んでいるため、市場のない週末に何かインパクトのある材料が出ると翌月曜日に空ができることがあります。(空とは下図のようなものです)
c. また、相場の上げ下げによるポジション残高との関係も株式相場との大きな違いです。株式相場は信用を除いて基本的には買いから入りますので、上げ相場はポジション残高の増加、下げ相場はポジション残高の減少を意味します。しかし、為替相場にはそれがありませんので、陰陽の意味が株式とは異なってきます。

また、ローソク足を見ただけではわからない情報もあります。

上の図に示した陽線の例のように、一日のレンジのうち、高値と安値のどちらを先につけたかによって、終値にかけての地合いは変わってきます。(1) は先に安値をつけてから上値を攻め、失敗して下げてきていますので、地合いとしては売りです。一方、(2) の方は上値を攻めて失敗して下げたけれども、下げ止まって再び上を目指している最中なので地合いとしては買いです。あるいはもっと複雑な動きをしているかも知れません。この違いを知るためには、より細かい時間の区切りのローソク足(例えば日足なら時間足など)を見れば一目瞭然です。その逆に、より大きな時間の区切りのローソク足というのもまた新たな情報を与えてくれます。次のテーマは「ローソク足の合成」です。

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